カテゴリ: 俳句鑑賞-気になる句-
灼きつくす口づけさへも目をあけてうけたる我をかなしみ給へ
グスタフ・クリムト/水蛇Ⅰ
乳房喪失 中城ふみ子
追ひ詰められし獣の目と夫の目としばし記憶の中に重なる
出奔せし夫が住みゐるてふ四国目閉づれば不思議に美しき島よ
衿のサイズ十五吋の咽喉仏ある夜は近き夫の記憶よ
新しき妻とならびて彼の肩やや老けたるを人ごみに見つ
絵本に示す駱駝の瘤を子が問へば母は悲しむその瘤のこと
跳躍の姿勢にけものは待ちゐたり屠られむとし我は近づく
灼きつくす口づけさへも目をあけてうけたる我をかなしみ給へ
衆視のなかはばかりもなく嗚咽して君の妻が不幸を見せびらせり
生きてゐる楽しさに触れ朝九時の窓に光れる牛乳のびん
原色のかなしみをきりきり突きつけるこの画よ立ちてひもじきときに
さびしくて画廊を出づる画のなかの魚・壺・山羊らみな従へて
冬の皺よせる海よ今少し生きて己れの無惨を見むか
メスのもと切りひらかれてゆく過去がありわが胎児らは闇に蹴り合ふ
愚かしき乳房など持たず眠りをり雪は薄荷の匂ひを立てて
黒き裸木の枝に紐など見え乍ら縊れしわれは居らざる或日
乳牛の豊かなる腹照らし来し夕映ならむわれも染まらむ
灰色の雪のなかより訴ふるは夜を慰やされぬ灰娘(サンドリアン)のこゑ
わが内の脆き部分を揺り出でて鰭ながく泳ぐあかき金魚は
明け方のわが枕辺に体温計置いてゆきしは白き春の手と思ふ
公園の黒き樹に子ら鈴なりに乗りておうおうと吠えゐる夕べ
虹を呼ぶ念力
虹を呼ぶ念力ぐらゐ身に付けし
まつすぐに来る蛍火に道ゆづる
かへりこぬ匂ひのひとつ日向水
十万年後を思へばただ月光
もうどこも痛まぬ躰花に置く
へんくつなばあさんになろゐのこづち
この星のはらわたは鉄冬あたたか
正木ゆう子
他人のような妻
他人のような妻と街角のあじさい色
橋石
全然、見えんがな。。
私の頭上を、点滅しながら通り過ぎて行きました。
こんな看板があったのですが、
川ニナって何だろう??と思ったら、螢の餌なんですね。
タニシの仲間だそうです。
まだ明るい時間に撮った写真。
(少し色加工入ってます)
左側に写っている階段に座って鑑賞できました。
銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋 石
朧
春風や言葉が声になり消ゆる 池田澄子
まひる梅の咲くさえ朧愛人あり 末永有紀
卒業す片恋のまま ま、いいか 福地泡介
いつもオートだけど、
マニュアルモードで、ちょっと露出をいじってみたら、
桜は、今週末ぐらいが見頃かな…