オリーブの葉に緑の幼虫がゐた
10cm近くもあらうかというそれは
ゆつくりと
新芽を食んでゐた
10cm近くもあらうかというそれは
ゆつくりと
新芽を食んでゐた
老人がのんびりと畦道を歩いてゐる
唸り声のやうに鼻歌が通り過ぎてゆく
唸り声のやうに鼻歌が通り過ぎてゆく
小判草が一斉にざわめく
…大丈夫…
…大丈夫…
…行かなゐの…
…大丈夫…
…行かなゐの…
近所の小学生が座り込んで、小型のゲーム機で遊んでゐた
母親は男と車ででかけて行つたきり
まだ帰つて来なひ
喉が渇いたといふので
麦茶を飲ませてあげた
麦茶を飲ませてあげた
決まつた
こんな時は比較的簡単に決まる
行 か な い
もう帰る場所はありはしないのだ
オリーブの葉を食みながら幼虫がちらりと見た
泣きなさいと云つた
泣いた。
泣いた。
蕾だつた百合がいきなり咲いてゐた
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いぬふぐり人信じたき日和かな NOA