クリムトの接吻以後が枯世紀 宮坂静生
クリムトの接吻と言えば、この絵でしょう。
気は優しくて力持ち。
面倒見も良く、画家やモデル達からも慕われていたというクリムト。
…ちょっと、女好きだけど…
(多くの女性モデルと男女の関係になり、
そんな彼でしたが、心の中に一筋にいたのは、
この接吻に描かれている女性、エミーリアただ一人でした。
55歳の時に、インフルエンザを患い、
「エミーリアを呼んでくれ」の言葉を最後に、
その長くはない生涯を閉じましたが、
エミーリアも、彼の死後はその手紙を全て焼き払い、
生涯独身を貫いたといいます。
結婚には至りませんでしたが、
結婚には至りませんでしたが、
彼女はクリムトにとって唯一無二のパートナーでした。
ところで、副題に接吻とついている絵はもう一つあります。
ベートーヴェン・フリーズ・第3場面-歓喜・接吻
ベートーヴェンのあの有名な交響曲第9番の
「第4楽章・歓喜の歌」を絵画化した壁画作品です。
楽聖ベートーヴェンを称える為に企画・開催された展示会に出品されました。
楽聖ベートーヴェンを称える為に企画・開催された展示会に出品されました。
取り壊される予定であったにも関わらず、
高価な金泥を使って仕上げてあり、現在では予定を変更して、
オーストリア美術館の分離派館に移築保存されています。
例によって、当時の批評家などからは、
「卑猥」だとか「醜悪」だとか批判を受けましたが、
金細工師の息子として育ったクリムト。
このマーブル模様や、画面全体を覆う金は、
日本美術に影響を受けていると言われ、
尾形光琳の「紅白梅図屏風」とよく似ています。
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冬の句を集めてみました。(捨案山子のみ秋の季語です)